ろうけつ染めにて六個の瓢箪を染め上げています。
葉の虫食いがどこか伊藤若冲を彷彿とさせる、無病息災を願うタペストリーです。
夏の夜の月明かりに浮かぶ鈴なりの瓢箪・・・というところでしょうか。
緑がかった暗い茶色の「水松茶(みるちゃ)」から黄緑がかった茶色の「柳茶」の
グラデーションに染められた麻生地に、六個の瓢箪がろうけつ染めされています。
葉は麻の地色を活かして、虫食いの穴があいています。
どこか伊藤若冲の襖絵を思い出してしまうのは私だけでしょうか。
幽玄で、静かな生命の営みを感じる、美しいタペストリーですね。
また、6個の瓢箪(ひょうたん)を描くことで、これを六瓢(むびょう)と呼びます。
「六瓢 = 無病」で、読みが同じであることから、
無病息災を願うデザインとして、古くから用いられてきました。
そもそも瓢箪はツルが伸びて、果実が鈴なりになる様子から、
家運興隆、子孫繁栄のシンボルとされていますから、
この六瓢は大変、縁起の良い絵柄として喜ばれています。
瓢箪は季節でいうと「夏」のモチーフですが、もちろん年中お飾りいただける縁起物です。
また快気祝いや、長寿を祝う贈り物にもお薦めします。
とにもかくにも、目にもすゞやかな夏の風物詩を、
お部屋で気軽に楽しめる素敵なタペストリーです。