友禅調の艶やかな装束が映える、立雛のタペストリー。
ちりめん細工の押絵でふっくらと丁寧に表現され、
コンパクトなサイズですが高級感のある一枚です。
装束が美しい。
お雛様の装束は、雛人形では珍しい「なでしこ柄」で裾にかけては色も「撫子色」です。
お内裏様は「四季草花」や「麻の葉」の文様の上着に、袴は「幸菱(さいわいひし)」文様。
「幸菱」とは四弁の花を菱形のデザインした「花菱」を集めて、より大きな菱形としたもの。
つなぎ目で菱形の先を合わせることから、「先合(さきあい)菱」と呼ばれたものが
転じて幸菱となったそうです。
主に皇族の装束に使用されてきた、とても縁起の良い柄ですね。
押し絵とは、布細工による貼り絵の一種で、
下絵を描いた厚紙(主に板目紙を用いる)を細かい部分に分けて切り抜きます。
そして、それぞれの部位に適した色質の布片でくるみ、
綿を入れて膨らみをもたせ、それらを組み合わせていきます。
こちらは高さが50センチ程ですので、飾る場所を選ばない
一番飾りやすいサイズのタペストリーと言えるでしょう。
季節のインテリアとして、おすすめの一枚です。
京都の老舗、龍虎堂ならではの職人さんの細部へのこだわりが感じられる、
大変美しい仕上がりです。