色白の福々しいお顔に、優しい笑顔が浮かんでいます。
見ているだけで
「ほっこり」する、ちりめん細工の雛飾りです。
装束には古布調の正絹が使われていて、
華やかさの中に、どこか懐かしさも感じる温雅な印象です。
お雛様の装束は、紅色や薄紅色などが多いのですが、こちらは「緋色」。
「緋色」は茜で染めた最も鮮やかな赤色で、紅色や蘇芳などよりも
黄色みがかっている色のことです。
「緋色」の少し薄い色を、「そひ」というのですが、こちらの装束はそちらの方が
近いかもしれません。
「緋色」は、現代でも神社の巫女さんの袴や、野点のお茶会の緋毛氈などで
目にする事が出来ますね。
お内裏様の装束は「二藍」でしょうか。
青みがかった紫色で、藍と紅(またの名を呉れ藍)の二つの藍を掛け合わせて
染められた、平安時代の代表的な色名です。