今年も桜が咲いています。
当店の目の前にある公園にも、五分咲き程度でしょうか、薄紅色の花びらが木々を彩り始めました。
とはいえ、桜の花びら白にほんの少しだけ紅を混ぜたようなごくごく薄い紅色「桜色」。
染物でも、もっとも薄い紅色を桜色といいます。
平安時代のころから、梅に代わり桜を愛でる習慣が生まれ源氏物語絵巻でも庭に咲く桜の木を巡り姉妹が碁の勝負する様子が描かれています。
源氏物語絵巻 第四十四帖 竹河二 「よみがえる 源氏物語絵巻」
こちらは現存する絵巻を復元し、当時の色彩をよみがえらせた模写。
華やかな王朝文化を感じさせる、雅な色彩が心をつかみます。
桜は山桜、吉野桜でしょうか?
その特徴は花と葉が同居した状況で満開になることで、赤みを帯びた新芽が花の脇にちょこんと顔を出し、まるで花を囲む額縁のようにアクセントになっています。
現代の桜の代表格である「染井吉野」は江戸時代になってから品種改良された桜ですから、当時はまだ存在しないのです。
そんな吉野桜のタペストリーがこちら。
◇吉野桜◇ 洛柿庵
日本の春の風景を、美しく切り取ったような手描きのタペストリーですね。
お花見も良いけれど、長く気軽に麗らかな春を満喫するなら、
「桜をリビングに掛ける」というのもお薦めです。