大寒とはいえ寒すぎです!

2016/05/31


週末の大寒の日より、ここ福岡、というよりも九州は記録的な寒さです。

なんと沖縄でも100年以上ぶりに雪が降ったとか!

大学の頃、沖縄出身の先輩が福岡で初めて雪を見たときに「玄関を開けて踏んでいいのかわからず一旦部屋に戻った・・・」と話していたことを思い出しました。
 

とにかくここ福岡でも、断水や高速道路の通行止めなどが続いており、
いつもの生活に戻るにはもう少しかかりそうです。
 

ところで、風水では昔から「大寒の卵」を食べておくと、
「金運や健康運など運気が上昇する」と言われています。

もともと大寒の日に産まれる卵は、滋養に富んでいると言われ、昔から、健康な暮らしを願って食べ続けられてきました。

 それは1年で最も寒いこの時期(大寒の日)、寒さのため、鶏の水を飲む量が減少する反面、飼料を多く摂ろうとします。

 そのため、鶏の飼料の栄養分が普段よりも十分に卵に現れ、一年の中でも「最も濃厚でおいしい卵の味」になるからです。

 

ところで日本の伝統色に目を向けてみると、「卵」にまつわる色は興味深い色でもあります。

「卵色」という色名が使われ始めたのは江戸時代に入って卵が食べられるようになってから。
 それまでは仏教で肉食が禁忌だったこともあり、あまり食べられなかったんですね。


卵色は今と同じく、淡い明るい黄色をさします。

黄身の色から由来しますが、見たものそのままを色名にするのは、江戸時代初期の特徴のひとつかもしれません。
 
世界的に見ても「町人文化」という気取りの無い、庶民が文化の中心となった時代だからこそでしょう。
 
歴史的にみて、文化形成は、ほとんどの場合特権階級の中に生ずるものです。

 
とても人気があり、江戸時代初期(水戸黄門から暴れん坊将軍までの時期)の着物(小袖)の流行色のひとつでもあります。

東京国立博物館所蔵「小袖裂 玉子縮緬地柳冊子模様」


井原西鶴の「好色一代男」にも
 
“人の見しる程の大臣は肌着に隠し緋むく、 上には卵色の縮緬に思日入(おもいひれ)の数紋、帯は薄鼠のまがい帯、…”
 
と粋なお大臣の上に着るものは卵色の縮緬に薄鼠の帯を着て、下着や小物に緋色など贅沢しているのがお洒落だ!と書かれています。

男の人にも大人気だったのです!



もうひとつ、同じ鳥の玉子に由来する「鳥の子色(とりのこいろ)」という色名があります。


これは平安時代に使われ始めた色名で、卵の殻のようなごくごく薄い白に近い黄色のこと。

玉子のことを、「鳥の子」表現するところに、時代を象徴する貴族趣味がうかがえます。
食べ物に対する興味が薄かった時代ですし、雛ではなく卵さえも雅な言い回しで表現することに価値があったのでしょう。
 
色の名前は時代を映します。


知れば知るほど、楽しい世界です。