蛤の貝でつくった犬箱の中に、小さなちいさなお内裏様とおひな様がちょこんと座っています。
犬筥(いぬばこ)とは犬をかたどった小箱のことで、女の子の厄を払い、良縁と安産を願う、
江戸時代の嫁入り道具の一つです。
つぶらな瞳が愛らしい、ちりめん細工のひな飾りです。
犬は古くから、人間を厄災から守ると信じられていたため、魔除けや厄除けの象徴とされてきました。
神社の入り口にある狛犬は怖い顔で、まさに魔除けのための番犬!という感じですね。
子どもを守るという役割が定着するにつれて、
次第に人間の子どものようなかわいらしい顔に代わっていったようです。
また、犬はお産が軽く、たくさんの仔を産むことから、安産の守り神としても知られています。
犬筥は、江戸時代には武家の嫁入り道具として調える習慣ができ、
上流家庭では産室や子どもの寝室などに置いてお守りとしたほか、
婚礼の際に用いられるなど、日頃の生活に密着したものであったようです。
龍虎堂ならではの職人さんの細部へのこだわりが感じられる、
大変美しい仕上がりです。
コンパクトですが、上品で願いのこもったデザインですので、贈り物にもおススメのお品です。
【お細工物について】
ちりめんの端切れを使った様々な物を「お細工物」といいます。
古くは大奥から始まり、押し絵や摘み細工、切嵌(きりばめ)、木目込(きめこみ)、
裁縫などその手法は様々です。
少し前までは、どの家庭でも少なからず行われていました。
人形細工もその一つですが、小さな布も大切に、「もったいない」と生かす日本人の知恵ですね。
こちらで紹介するお飾りも、すべて手作りのため、描き絵の表情や友禅柄の出具合などに
違いがございます。
商品画像はできるだけ実商品に近い色に合わせておりますが、ご覧になるディスプレイのモニターの
環境により、実際の色と多少異なる場合がございます。
あらかじめご了承ください。
今では自分でつくるのはなかなか大変ですが、京都で一つひとつ手作りされた細工物のぬくもりを、
ぜひ身近に置いて「ほっこり」癒されてください。